内藤
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緒方さんは大学生の頃からナショナルチームで活躍され、実業団の名門・新日鐵で主将、コーチ、監督を歴任されたバレー界の大先輩ですが、そもそもバレーボールとの出会いはどのようなものだったのですか。
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緒方
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私は子供の頃は理数系の勉強小僧だったんです。高校進学時点でも、体は大きかったけど一日七時間授業がある猛烈な勉強量の高校の特進クラスに進んで、国公立を目指していた勉強系男子でした。けど先生からダメだしされて、それで勉強一本槍からバレーに切り替えたんです。
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内藤
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大転換ですね。
高校生からバレーを始められたというのも、その後のご活躍を考えると驚きです。
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緒方
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インターハイ出場レベルのバレー部でしたが、バレー部員達は15時くらいから練習してる。私は特進クラスの授業が終わってから練習に参加するから物足りない。そんな感じだったけど、そこで嫌になるほど練習しなかったのは良かったのかも知れない (笑) 。
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内藤
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緒方さんは企業の役員である一方、日本バレーボール協会で「バレー指導者を指導する」という立場でもいらっしゃいます。
その指導内容がとても客観的で論理的な印象を受けるのですが、バレーをそのように捉えるようになったのはいつ頃からのことですか。
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緒方
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論理的なアプローチの必要性を感じたのは、新日鐵の監督を辞めてからです。それまではただ勝つことしか考えてない。
その後、新日鐵の社業に専念していたんですが、バレーボール協会から声が掛かって子供達を指導する機会があったんです。そうしたらその時に、「あれ?」と思って。
自分が若い頃に「やれ」と言われるままやってきたことの、理屈が少しずつ分かってきた。「そうか。選手時代にだからこう言われてたんだ」という、合理性に気づいた。
合理的に説明のつく技術の指導の重要性が、そのあたりで分かっていきました。
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